本講座では、「もっと笑顔でもっと安心な、愉しい生活を人々にもたらすクルマ」を追求し、クルマの新たな価値を創出する研究開発を行っています。
また、群馬大学の理工系、医学系、保健学系、情報系の研究室とも連携し、SUBARUの研究課題を解決するための取り組みを、群馬大学-SUBARU間で戦略的、包括的、組織的に進めており、以下の3領域における研究開発に取り組んでいます。
安全領域
死亡交通事故ゼロから、さらには究極の交通事故ゼロを目指します。
人とクルマのインタラクション、クルマと周辺交通環境のありたい姿を追求し、様々なセンシング機能と人工知能を搭載する次世代高度運転支援車両や自動走行機能搭載車両等への適用研究と社会実装を通して、もっと「ぶつからない安全なクルマ」を実現していきます。
感性領域
クルマに対して人が感じる「安心」と「愉しさ」を、医学・人体科学に係わるアプローチからひも解き、設計可能な工学に結びつけていきます。
乗員や交通参加者の脳が判断するメカニズムを、視覚、三半規管が持つ聴覚や平衡感覚、振動や圧力等を感じる人体感覚器に着目して解明し、これをクルマが持つ人間拡張感覚の増幅や最適化、車両制御技術への応用研究を進めて、次世代技術として確立していきます。
設計プロセス改革
領域
開発初期段階から仮想空間でクルマのすべての機能・性能・品質について設計―評価と造りこみを効率的に行うためのプロセスや手法を開発する中で、メカニズムの解明が必要な現象や、解析や評価、予測手法等の開発を要するテーマを選出し、研究を行います。
以下では、本講座が主体として取り組んでいる研究テーマについて紹介します。内容は成果発表に応じて順次更新予定です。
運転の一体感の解明
車を運転していると、車を自分の手足のように操作しているような感覚を覚えることがあります。このような感覚を運転の一体感とし、このような感覚の醸成に車のどのような特性が寄与しているかについて、明らかにしようとしています。
ヒトとクルマのコミュニケーション
車の進化に伴い、運転者と車の間で授受する情報は複雑になってきています。そのため、運転者と車の間の自然なコミュニケーションを実現し、運転の負荷を軽減するための方法論が必要です。この研究では、ヒトにとって自然な入力インタフェースである音声UIを用いて、ヒトとクルマのコミュニケーションに関する研究を行っています。
自動車シート着座時の快適さを追求
自動車における着座姿勢は乗車による疲労や乗り心地に影響を与える要素となります。この研究では、自作のシステムによる着座時の脊柱形状の計測や、その際の筋負担を筋骨格シミュレータを用いて解析を行うことで、快適な着座姿勢を定義できるよう研究を行っております。
CRANTSを活用した実車評価
群馬大学の次世代モビリティ社会実装研究センター(通称CRANTS)は、クローズドされた車両走行コースを所有している。机上検討やシミュレーションに基づく仮説に対し、このコースを活用して実車を使った走行データ計測や評価を行い検証することもでき、より広い研究を進める環境が整っています。